よく聞く「嫌な客は切れ!」について。本当に正しい?

2020/03/17

08 店のシステムを整えよう 編

t f B! P L

「お断りします」のイラスト(男性)
今回は、困ったお客への対応についてです。

『困ったお客』『嫌いな客』とは、どういうお客か

開業して店を構えていると、当然ではありますがお客さん・患者さんがやってくるわけです。
ですが、自分(施術者)にとって好ましいお客さんだけが来るわけではありません

中には好ましくない客が来ることがあるかもしれません。
例えば整体院・治療院であれば、

①遅刻やドタキャンが多い
②態度が悪い(丁寧語を使ってこない等)
③「ここを揉め」「もっと強くやれ」など、施術方針を無視してくる
④終わってもなかなか帰らない
⑤受付票を書いてくれない
⑥アドバイスを無視する、もしくは口ごたえしてくる
⑦生理的に嫌い

こういうお客さんが来てしまう可能性はあるわけです。
(色分けについては後述します)

……いや、確実に来るでしょう。

どんなコンセプトの店にしたとしても、そういうものだと思います。
紹介制の飲食店であっても上客100%というのはありえませんので。

では世の整体院・治療院は、そんな「嫌いな客」についてどうしているのでしょうか。

よく言われている『嫌いな客は切れ!』は商売的に正しい

よく整体院コンサルタントさんなどが言っているのは、

「そういう客は切ってしまいましょう(断りましょう)

です。
嫌な客の対応をしてもモチベーションが下がるし、いいことなんてありませんよ――
そう言っているわけですね。

これ実は、「商売」だけを考えるのであれば、おそらく正解です。

BtoB(企業対企業)の商売では取引先をしっかり審査しますよね?
あやしい会社とはそもそも取引しませんし、取引開始となっても与信をきちんと設定します。あまりわがままなことを言いだす取引先は取引中止にすることもあるでしょう。
相手を選ぶというのは、非常に理にかなったことでもあるのです。

BtoC(個人向け)のやりとりでも、整体のように技術を提供する仕事の場合、相手を選ぶというのは非常に合理的です。

「客を断ったら悪評立つからダメでしょ?」

いえ、そんなことはありません。
嫌な客を断っている整体院は無数にありますが、
客を断って悪評が立って潰れた整体院は聞いたことがありません
なぜか。

それは、店側から断られるような客は周囲の人間からも信用されていないからです。

「あの人、『俺は悪くないのに出禁になった。あの整体院はけしからん』とか言ってたけど……。たぶんあの人のほうが何か悪いことしたんだろうね」

問題のお客さんに悪評を言いふらされたところで、そのお客さんの周囲の人間はこのように思うだけでしょう。
前述の①~⑦に当てはまる人なんてそんなものです。

つまり、悪い客を断っても、それが直接の原因となって店が潰れる心配はありません
おそらく、「商売」で考えるのであれば正しいのです。

そういう施術者になりたいのであればそうすればいい

ですが……。
・商売的に正しいから
・整体院コンサルタントがそうしろと言っているから
だから、そのとおりにするのか。
それは開業する人が必ず自分の頭で考えて結論を出してください

なぜなら、この業界は「商売です」と言うにはあまりにも特殊な世界だからです。
整体やリラクゼーションは医業類似行為です。
あん摩マッサージ指圧師に至っては区分が医療従事者であり、法的にも施術は商行為ではありません。医療なのです。

なので、
「自分は手技療法の従事者としてどんな人間になりたいのか」
という視点も必要です。

「気に入らない客には施術しません」
「やりやすい客だけ施術します」
このようなことを言っている施術者になりたいと思いますか?

なりたいのであれば、そうすればよいと思います。商売的には問題ありません。
ご自身で結論を出すようにしましょう。


ただし、冒頭に書いた①~⑦のうち、
赤文字になっている①と⑤に該当する人については少々話が変わってきます。

①は他のお客さんの迷惑になってしまいます。
⑤は受付票記入や施術前の問診なしにいきなり施術は危険すぎますし、責任賠償保険にお世話になることがあったときに受付票や施術記録が無いと困ったことになります。

こちらにつきましてはどんな方針で行くにしろ、きちんと協力してもらえるようお願いをし、改善が無いようであればお断りせざるを得ないと思います。

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